「次」と「以下」の使い分け

【広辞苑】(第5版)
次:後にすぐつづくこと。順序がすぐあとのもの。
以下:そこからあと。

【大辞林】(初版)
次:あとにすぐ続くこと。
以下:そこからあと。

【新明解国語辞典】(第6版)
次:あとにすぐ続くもの。
以下:これよりあと。

現代国語の読解問題では「の文章を読み、以下の問いに答えよ。」という出題文をしばしば目にしますが、そこにはその出題文のすぐ後にエッセイの抜粋等が続き、以下に問1、問2、問3・・と連続した問いが続くことが示されています。東大や京大や大学入試センターの国語の専門家は、2つの言葉をそのように使い分けているとも言えます。

法律でも、たとえば第5条の中で「次条において」とあったら、次条=第6条(のみ)で、第7条以降は含まれません。

カラオケで「次は誰?」と言えば、そのすぐ後に歌う1人だけが手を上げます。

以上のような用例からすれば、何条にもわたる契約書に冒頭文を付記したい場合には「次のとおり合意した」ではなく「以下のとおり合意した」とするのが日本語として座りが良いと思います(1条1条が1つ1つの合意だからです)。しかしもし本文が1行だけの念書等であれば「次のとおり合意した」で差し支えないと思います。